2024年5月18日に開催された「粟津邸」見学会のご報告です。
晴天に恵まれた5月18日に今年度第1回見学会が、川崎市にある原広司設計 「粟津邸」で行われました。当日は、会員のご家族も含めて41名が参加し、学生や若い会員も多数参加され、にぎやかな見学会になりました。
10時半に読売ランド前駅に集合し、生田丘陵の上り坂を15分ほど歩いて粟津邸に到着。玄関から階段をまっすぐ下りたアトリエで、ご子息のケン氏のお話を伺った後、自由に邸内を見学しました。
1972年にグラフックデザイナー粟津潔の自邸として竣工した建物は、ご子息の粟津ケン氏により、ほぼ竣工当時の姿に復元されて、現在は企画展などが開催され、その期間は一般に開放されています。
粟津邸は、70年代に学生だった世代には、建築雑誌に掲載された写真に衝撃を受けた記憶があり、また、若い世代にとっても原広司設計の空間を実際に体験できたことは、有意義なことだったと思います。粟津潔がここで、当時のアートや建築、演劇界をけん引する人たちと交流し、エネルギッシュな創作活動をしたことが偲ばれる建築の空間構成や光を実際に体感し、建築やアートの本質を考えさせられる見学となりました。
今回 ご子息のケン氏から、短期間ながら実際に住まわれた感想や、この貴重な建築を今後どのように活用していくか模索されているリアルなお話を伺えたことも、貴重な経験でした。見学後、希望者は日本女子大生田キャンパスまで足を延ばし、今年3月に退官された定行先生の研究室にお邪魔して、さわやかな緑あふれるキャンパス内で、楽しいおしゃべりの時間を過ごしました。
今回 住宅遺産トラストの理事をされている木下会長のご縁で、粟津ケン氏にお話を伺うことができ、住居の会独自の粟津邸見学会が開催できたことを深く感謝致します。
◆ご参加された方のアンケート結果⇒リンク