出版情報更新のご案内:「近代日本の別荘建築」水沼 淑子さん

水沼 淑子さん(26回生)から書籍のご案内です。


湘南は明治期以降、別荘地として発展し、戦後は⾸都近郊の⼈気住宅地今⽇に⾄っています。湘南各地はそれぞれの特徴を⽣かしながら発展しましたが、なかでも⼤磯は、すでに明治20年代から別荘地として発展し、⼭縣有朋、伊藤博⽂、⻄園寺公望、岩崎彌之助、三井⼋郎右衛門、村井吉兵衛、根津嘉⼀郎ら政財界⼈をはじめ、徳川家、酒井家、鍋島家、⼭内家など旧藩主、さらにはジョサイア・コンドルも別荘を構え、別荘地としての確たる地位を築きました。

大磯町にはこうした別荘建築を含む明治期以降の家屋関連⾏政⽂書が所蔵されており、本書ではその資料を基に、別荘地の形成、別荘建築の特徴、別荘を設けた⼈物の来歴や⼤ 磯での暮らしについて、新聞、⽇記、伝記など根拠資料も提⽰しながら詳らかにしました。⼤磯の別荘に特徴的なのは、邸宅と庭園双⽅への所有者の執着であり、造園、園芸、園遊会などを中⼼とする別荘⽣活が重要であり近代特有の邸園文化が誕生しました。
これらを通して、近代⽇本における別荘の意義を明らかにすることを目指しました。大磯では現在、明治期から昭和初期にかけての別荘建築4棟を持つ明治記念大磯邸園が開園に向けて整備中です(新築のエントランス棟は隈研吾氏設計です)。

本書が大磯散策の参考になれば幸いです。


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2024年5月広報係