2025年度住居の会奨励賞は、選考の結果以下に決定致しました。
住まいが支える新しい福祉のかたちの実証実験
— 障がい者グループホームのシェアハウス化 ー
桑原みどりさん(42回生)
桑原さんが設立した株式会社オービットデザインでは人々が安心して暮らせる住環境を提供することを目的としてい ます。
その一環として障がい者用シェアハウス「おうとつハウス」の活動に賛同し、立ち上げから運営に協力してきました。おうとつハウスは多様な人々が互いを尊重し合いながら暮らせる住まいを目 指すシェアハウスです。快適で健全な環境づくりのノウハウをひろめたいという桑原さんのこれからの活動を住居の会として応援したいと思っております。
活動の背景と目的
障がいのある方が地域で暮らし続けるためには、支援体制と同時に「住まい」の確保が不可欠です。しかし現状では、グループホームは慢性的に不足しており、親亡き後の生活に不安を抱える家族も少なくありません。
私は、障がい者向けグループホーム「おうとつハウス」の大家として、この課題に住まいの側から取り組むことを決めました。障がいが「かわいそう」なのではなく、誰もが支えを必要とする時期を持つという視点に立ち、障がいを個性として尊重し合える住環境を、運営者と共に育てていくことを目的としています。
これまでの活動

千葉県松戸市にて、障がい者グループホームのための中古住宅を購入しました。壁や床の更新、階段への手すり設置、水回りの整備など、生活の安全性と快適性を確保するための必要な改修を行いました。
専門業者による基礎的な改修の後、入居希望者や家族、友人、不動産仲介者、地域のボランティアが参加し、壁紙や床の更新などをDIY形式で進めました。入居者自身が住まいづくりに関わることで、「暮らしをつくる当事者」としての意識が育まれました。
運営は株式会社OT2が担い、立ち上げ当初から物件選定、改修相談、近隣調整などについて密に連携し、大家と運営が伴走する形で取り組んできました。


今後の活動予定
本取り組みでは、関わる人々の信頼関係から自然に生まれた成果も多くありました。今後はこの経験を整理し、属人的な関係に依存しない「再現可能な仕組み」へと発展させていくことが課題です。
改修や運営のプロセスを記録・共有し、大家と運営が共に成長できるモデルとして磨き上げることで、他地域にも展開可能な、住まいと福祉が連携した持続的な取り組みを探っていきます。
桑原さんよりメッセージ
このたびは「住居の会奨励賞」を授与いただき、誠にありがとうございます。
障がい者グループホーム「おうとつハウス」の取り組みは、運営者や入居者、家族、地域の方々とともに、一つの住まいを育ててきた実践です。住まいが人の暮らしと尊厳を支える基盤であることを、日々の関わりの中で実感してきました。
このような活動にご注目いただき、住居の会の皆様に評価していただけたことを大変光栄に思うとともに、心より感謝申し上げます。今後も住居学科で学んだことや卒業生のネットワークを大切にしながら、この取り組みを継続していきたいと考えております。

★参考
障がい者グループホーム おうとつハウスのインスタグラム @ot2house
2026年1月 執行部
