第5号 菊竹 雪 (31回生)

up今月の作品紹介 菊竹 雪(31回生)

20年以上使われてきた札幌駅プラットフォーム上屋

排気塔の屋根。
今まで裏に隠れて いた屋根が、駅の再開発でホテルの部屋から見下ろされる風景の一つとして表舞台に 引っぱりだされる事になった。その屋根の計画にあたり、初めて訪れた場所でホテルの窓から街を見下ろし、何がどこにあるのだろうと眺めていた記憶が蘇ってきた。客室から見えsnow_v
るどこかへとつながる線路と街並み。点から点への移動では街を感じられない。排気塔の屋根が規則的に並んでいるのを利用し、街の拠点となる場所を文字と矢印でストレートに表現する提案をした。屋根全体をサインとしてリ・デザインすることで、札幌の街を概念的に把握してもらおうという試みである。
ただコンペで私が提案したのは、「雪の残像」として既存の屋根を白く塗装し、雪が消えた季節でも屋根を白く見せ、札幌の街のイメージである「白色」を強調したものであった。文字や矢印を立体化しているので、雪が積もると、文字が真っ白な世界に浮き出て見えてくる。それがコンペ案により近いイメージであったので、実現できなかったことは残念であった。

アートディレクション : 菊竹 雪 (31回生)

デザイン菊竹 雪
プロデュース(株)アートフロントギャラリー
施工三晃金属工業(株)
クライアント札幌駅南口開発(株)
SDA賞2003優秀賞
ディスプレイデザイン賞2003優秀賞
JCDデザイン賞2003優秀賞