第25号 福與 由美子(21回生)

kingyoChina Painting
チャイナペインティング

 

 

私がチャイナペインティングを始めたのは、もう三十年位前の事です。当時はまだ趣味で描いてる方も少なく、材料、技術等、アメリカやヨーロッパから探すような状況でした。今では多くの方が楽しまれ、日本人のレベルは、海外でも勝るとも劣らない程となりました。

チャイナペインティングとは、市販されている白磁に、絵付け用絵の具で絵を描き、陶芸窯で焼成する作業です。完成した物は市販の食器と同じに使用できます。釉薬の上に描く為、厚塗りをすると焼成時に、剥がれたりしますので、描いては焼きを、何度か繰り返します。絵柄によっては、一度の焼成で仕上げる事もあります。つるつるとした白い食器に描くことは、紙やキャンバスと違った独特のテクニックが要求されます。例えば焼く前は、触ってしまうと絵が消えたり汚れてしまいます。焼いた後は消す事が出来ません。

私が描いている物は、主にヨーロッパで継承されて来た細密な図柄です。今では食器の図柄という事にこだわらず、時には油絵のように、又水彩画、細密画、イラスト等自由なスタイルを楽しんでおります。食器が好きで始めた事が、いつの間にか教えるという仕事になりました。以前はアメリカに本部があるIPATという協会に所属しておりましたが、現在はJPPAという日本の絵付けの協会に所属し活動しています。 趣味で描くという事は、採算を度外視して時間をかけた作品を作れる自由があります。世界に一つだけの食器で、お茶を飲む贅沢は私にとって、何物にも変えがたい幸せな時間です。何百年と続く絵付けの世界は、際限なく学ぶ事があり、それが何十年と魅せられた最大の理由だと思います。

ヨーロッパの上絵は、中国や日本の磁器に魅了され、模倣したところから始まっています。絵を描くことで歴史を知り、焼成する事で化学を学び、デザインだけでない点は、建築に通じるものがあるように思います。
今は東京の白金台の自宅で教室をいたしております。著書『HOW TO ENJOY THE CHINA PAINTING』は、絵付けを知って頂きたく出版いたしました。目白のサンアートで販売致しております。描く楽しさ、使う楽しさを、これからも多くの方に知って頂きたいと思います。


※各画像をクリックしていただきますと拡大してご覧いただけます。

tableware_l作者紹介 福與 由美子(ふくよ ゆみこ) (21回生) JPPA会員・IPAT元会員

 

 

主な出展
東急百貨店本店
ギャラリー神宮苑
三興画廊
ギャラリー山雅等
展示会開催
著 書
『HOW TO ENJOY THE CHINA PAINTING』
(取り扱い店 サンアート)