第22回住居の会奨励賞  山本さと子さん(53回生)

2020年度第22回住居の会奨励賞が決定しました。

 

山本さと子(53回生)
東京都目黒区出身。ブルックリン在住

2015年、Speedball社が主催する全米アート学生を対象としたプリントメーキングコンペティティションNew Impressions にてニューヨークのアート学生として唯一受賞。The Southern Graphics Conference International、IFPDA Print Fair、Affordable Art Fair, Chicago Antique + Art + Design Show、Artexpoなど多くの全米アートフェアにて作品が取り扱われる。2020年、UK出版Art Maze Magazineに木版作家として掲載、MoMA PS1,、British Libraryなど世界各所で記事が公開された。2018年に初の著書「ニューヨークにきた まほうつかい」を出版、紀伊国屋マンハッタン店舗など国内外で広く取り扱われる。両手で絵を描く個性的なパフォーマンスが注目を呼び、2020年12月、Radiator Galleryオンラインライブにてその様子が初公開される。

2020年11月14日(土)回生幹事会にてNYにお住まいの山本さん自らがZOOMにて活動の内容を写真を交えて発表くださいました。コロナ禍にあり、ZOOMでの発表は初めての試みでしたがバラエティーに富んだアート活動の様子のプレゼンテーションや参加者との質疑応答などとても充実した時間となりました。後日の参加者による投票により受賞が決定いたしましたことをご報告します。


山本さんの活動テーマは、『アート国際交流企画』です。

2013年よりアメリカの滞在資格を得て、アーティストとして、またファッション学校の職員としてお勤めしながら、ニューヨークを中心としたアート業界で活動をしています。

◆活動の背景と目的

まだまだアジア人差別がある中、また、これから渡米してくるに日本人や後輩のために、アジア人の生活環境の改善につながることを目指し、アートを通して人種や文化の枠を超えた活動をしています。

建物をモチーフとした木版作家として活動する中、日常ではFashion Institute of Technologyにて本学唯一の日本人、アートクラスの着物モデルとして雇用され、今は本学にて着物以外のファッションのクラスでもお仕事をされています。

木版画やアート作品の多くは住居学科で学んだ透視図法に習ってデザインしております。ビルディングをモチーフにした作品も多く、透視図法の知識が今に活かされています。

また、アートを通じてインテリアや都市環境問題に取り組む団体とも、ニューヨークの街で広く交流しています。アートを言語の一つとして、また日本女子大学で学んだ知識を生かして、二国間の取り組みに微弱ながら貢献したいと活動されています。

◆これまでの活動と、今後の活動予定

日本人留学生が少ない中、希少なニューヨーク在住日本人アーティストとして業界の方と交流し、日本に対して友好的な印象を持って頂く機会が増え、活動の成果につながってきています。個人個人の努力と交流から国際交流は生まれると信じ、小さな努力がいつか大きな成果につながることを目指して活動をしています。

アート国際交流企画のボランティア活動は2018年度より実施しており、アートを通じて、HIV患者や子供たちの貧困への支援も毎年行っています。

(HIV positiveのボランティア活動)

最近では、Asian American Arts Allianceにて、アジア人の皆様の市民権活動への協力として国勢調査前のオンラインイベントで活動報告をしました。

写真はその際のZOOM会議の様子です。

今後もアート学校の職員として、またフリーランスの日本人アーティストとして幅広く国際舞台で活動し、新たなコンペティションへの申込みや、美術館やギャラリー企画展も催すことを目指しています。

クライアントのギャラリー(The Tolman Collection, Agora Gallery)などと相談して企画を練り、キュレーターの皆様からも日本女子大学住居学科奨励賞の履歴をアピールポイントの一つとしたいです。作品を広く認めていただいた際は、国際舞台のアーティストトークなどの場で都市環境問題、住環境問題などについて意見を述べ、日本女子大学で勉強した知識も活かすことも目指しています。