「住まいの百科事典」刊行されました!
42回生 薬袋奈美子
日本家政学会編集の「住まいの百科事典」が、丸善出版から刊行されました。編集委員会の委員長は住居学科教授の定行まり子(28回生)、編集幹事長が私 薬袋奈美子(42回生)、編集幹事は 浅見美穂(31回生)、東京家政学院大学の小池孝子(53回生)、更に青木賀津子、飯野由香利(33回生)、小板橋恵美子(M23回生)、鈴木佐代(45回生)、久木章江(41回生)が編集委員として携わりました。そして執筆者に数多くの住居学科卒業生が名を連ねています。
一見開き(2ページ)で一項目を完結させるスタイルで、合計303項目が掲載された、内容の濃い事典です。15章で構成され、気候風土と住まい(第1章)、歴史から読み解く住まい(第2章)といった、住まいを歴史・風土といった大局から理解する項目から始まります。中程には、実際に住まいを建てよう、或いは住まいの問題を解決しようという人に役立つ住まいの計画(第3章)、設備(第5章)、災害と住まい(第12章)等の章が並びます。後半は、未来の住まいを考えるために、多様化するライフスタイルと住まい(第13章)、持続可能な社会に向けて(第15章)等の章立てです。
家政学会編集ですので、学校の先生方や、最近当たり前に行われるようになった調べ学習の参考として使っていただけることも期待しています。実は第14章の住教育では、学校で学ぶ全教科を意識して住教育例紹介しています。この点は項目立てを考える際に私が最初からお願いしていた点です。「住まい」が家庭科の枠組みの中に納まるのではなく、全教科にわたる総合学問であることを伝え、家政学=家庭科から脱し、建築⇒工学⇒理系科目という流れとも異なる、住まいを生活の場として総合的に考え、日本の住まいがより良いものになっていくことを期待しています。本書全体にも、その考え方が根底にあります。
事典作成では、最初に粗々の項目立てをお示しし、各専門分野の編集委員の方々に項目立てを出していただいたところ、現在の2倍程のものとなった章もありました。執筆者の方からの原稿も、大きく規定の文字数を超えてお届けいただいた方が数多くありました。それを何とか絞っていただき(これが結構大変でした。お互い自分の専門は大事ですから)、もっともっと伝えたいことがある中から厳選していただいた結果の全742頁です。ページを繰るごとに、その奥に各専門分野の拡がりが見えてくる内容です。
今は、気になる言葉がある時には、インターネットを検索すれば、簡単に答えが返ってくる時代です。しかしそれが、どのような意味合いを持つものなのか、適切な考え方に基づくものなのか、疑問に思うこともあります。住居学科卒業生の皆様も、住まいに関わることをウェブで調べると、特定のメーカーの製品に誘導される書き方になっていて、不安に感じたご経験があるのではないでしょうか。そんな社会だからこそ、専門家が、住まいの捉え方の適切な入り口、方向性を示す必要があると考え、この事典を作成する企画を立ち上げました。
事典ということで値が張りますが、お施主さんとの対話の糸口として事務所に一冊、お子さんの学校の調べ学習のために図書室に一冊、皆さんの住む町の住まいが良くなるために近所の図書館に一冊おいていただけるよう、お勧めください。そしてお小遣いに余裕のある方、是非お手もとに置いてください。必ずお役に立つ一冊です。
初版では、小さなミスもあるかもしれません。編集委員が何度も読み返したりしたのですが、大学の授業や研究を進めながらの取り組みで(コロナ禍も加わり)、至らない点もあるかと思います。皆様の忌憚なきご意見もお待ちしております。
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