第3回住居の会交流会アンケート結果のご報告
2021年9月11日、オンライン交流会「キャンパスで育まれた好奇心のゆくえ」が開催されました。
3回目を迎えた交流会は今年もオンライン開催になりましたが、九州・沖縄、そして海外からの参加者された方もおられ、和やかな雰囲気の中、中身の濃いひとときを過ごしました。
三木泉さん(38回生)、田邊曜さん(52回生)、神英美子さん(64回生)の3人のパネラーさんからは、好奇心旺盛だった在学中の学びや興味、そして心ときめく出会いと節目を経て現在に繫がるお話をしていただきました。どのお話も社会に求められていることに気づき、進むというチャレンジ精神が感じられ、参加された方々それぞれが刺激を受けたのではないでしょうか。とりわけ学生さんにとっては先輩方の様子を知ることで卒業後のライフステージを形成してゆくヒントになったことでしょう。
当日参加者(37名)へのアンケート結果(回答27名)をまとめました。
学生を含む会員相互の縦の交流は今後も続きます。多くの方に参加していただきたいと思っておリます。
交流会対するご意見などございましたらkikaku m@jyukyo.netまでお寄せください。
◆交流会の様子はこちら⇒開催報告リンク
◆質問4~6,10,12,14,15(自由回答部分)はこちらからお読みください⇒自由回答リンク
<パネラーへの質疑応答>
三木泉さん (38回生 (株)三木泉アーキテクチャー&デザイン)
Q: 学生(高校生)の時に進路として建築・住居学科を選んだ理由やきっかけになったことなどありましたら教えてください。
A: 美大生の姉を横で見ていて、才能だけで食べていくのは自分には向いていないなと思い、手に職的な仕事で美術にも関われることをしたいと考えていたところ、心地よさそうな海外の住宅写真に出会い、建築を仕事にしようと決めました。
Q: お仕事を続けられていて今までで一番の喜びはどんな時に感じられますか?
A: 引渡し時に喜んでいただけるのは勿論ですが、住むほどにその良さに気づいたと後日お客様より感謝の言葉とともにリピートのお仕事をいただいたときです。
たとえば、ご主人様が連泊出張の日程を縮めて早く帰宅するになった。ご主人様が仕事でのストレスを玄関の外において帰宅するので、奥様が受け止めるストレスが激減しとても楽になった。別荘に来るとご主人様の機嫌が良くなるなど、思いがけない心理的影響を建築が与えている話を伺うとき。
Q: リラックスの方法やこれから挑戦したい事は?
A: 自分だけの時間も設けること。ジム、料理や観葉植物の世話しているとき。
チャレンジしたいこと: 未知のわくわくするオファーに応えていきたいです。
Q: 今後のビジョンを伺いたいです。
A: こころに残る空間をつくる。
そこを訪れ、年齢問わず体感した方に何かしらの感じるものを残し、将来その人が携わる何かに例え僅かでも影響を与えられたら最高だと思います。
Q: 今はまっていらっしゃる事は何ですか?
A: 色々な経験をされた方々の話を伺うこと。
Q: 絶えまなく設計のお仕事が続く秘訣は?
A: 信頼を得ること。
①誠意をもって、ご要望を訊き、形にすること。
お客様は、多様な環境で育ち、多くの経験をしてきていても、建築に対して明確なイメージができていない段階でお目にかかることもあります。ヒアリングを通して相手の立場に立ち共に考え、望むものを形にしていく作業を大切にしています。
②経験の積み重ねと引き出しを多く持つこと。
③頼れるエキスパートが多く身近にいること。
Q: 受賞歴を教えてください。
A: 大学4年 サンフランシスコ国際家具デザインコンペ優勝
ENDO照明主催第1回 家具デザインコンペティション プロ部門 奨励賞
Q: 建築・デザインで大事にしていることは何ですか?
A: 見つけ、みがくこと。
田邊曜さん (52回生 田邊曜建築設計事務所)
Q: 学生(高校生)の時に進路として建築・住居学科を選んだ理由や特にきっかけになったことなどありましたら教えてください。
A: 高校生の時に美術の展覧会を見に行くのが好きで、たまたま、池袋のセゾン美術館でコルビジェの展覧会があり、見に行きました。住宅、公共建築、都市計画、家具、絵画とさまざまなスケールや種類の展示を見て、今思えば、とても単純なのですが、建築家になったらこんなに色々なことができる!と思い、建築学科を進路に決めました。
Q: 仕事を続けられていて今までで一番の喜びはどんな時に感じられますか?
A: 竣工して、クライアントの方が喜んでくださる時が一番嬉しいです。
Q: リラックスの方法やこれから挑戦したい事は?
A: 息抜きをするのが苦手であまり特別なことはないのですが、おいしい食事をしっかり食べることがリラックスの方法かなと思っています。これから挑戦したいことは、家具、プロダクト、ランドスケープ、都市計画など、スケールの異なることにも挑戦したいと思っています。
Q: 今後のビジョンを伺いたいです。
A: 交流会の時にお話ししたように、建築と都市、内部と外部、インテリアと家具、など境界を越えてつながっていく空間をつくる試みをしていきたいと思っています。 そして、人々が楽しんで使えるような、ずっと残っていくような空間、場所をつくっていきたいと思います。
Q: 今 はまっていらっしゃる事は何ですか?
A: 近所の方からチェコの作家のピーター・シスの展覧会を教えていただき、その絵をきっかけにチェコの画家の絵の不思議な魅力にはまっています。
Q: 絶えまなく設計のお仕事が続く秘訣は?
A: 前の仕事から次の仕事につながることが多いので、ひとつひとつの仕事を丁寧にすることでしょうか。
Q: 受賞歴を教えてください。
A: 代表的な賞は下記です。
2019 千葉県建築文化賞 (旭町診療所)
2019 iF DESIGN AWORD 2019 / Germany (TIERS)
2015 千葉市都市文化賞 2015 (旭町診療所)
Q: 海外での体験は、その後の人生にどのような影響がありましたか?
A: 海外での仕事で、自分から意見を主張していかないといけないことを学びました。イタリアに住んでいたので、日本のように便利ではなく、電車が止まる、電気が止まる、お湯がでない、なんてことは日常茶飯事で、打たれ強くなった気がします。
Q: 独立されて、子育てとの両立について伺いたいです。
A: 正直、両立と言えるほどできていない気がします。産休、育休もないので大変でしたが、独立して会社員ではないので、ある程度自分でスケジュールをコントロールすることはできるので、それは助かっています。その反面、だれかに代わりに仕事をしてもらうことはできないので、出産前よりスケジュールにゆとりをもって仕事をするように心がけています。
神英美子さん (64回生 一般社団法人外国人雇用協議会所属)
Q: とてもアクティブな方という印象ですが、その源泉は何ですか?
A: 自分では「アクティブな人間」という自覚が無いです。アクティブという言葉にはポジティブな印象があるかもしれませんが、ネガティブ要因からアクティブに活動することもあります。「こうなりたくないから~する!」というように。なので、アクティブなのが健全とは限りません。いずれにしても「行動に移さないと気持ち悪い」という性質はあるのかもしれません。 (笑)
Q: 語学はお得意なのですね? 個人的によく見る外国の労働者は、 建築現場の足場、基 礎、塗装の職人さんや介護の方々です。斡旋などをされるのですか?
A: 英語のコミュニケーションは多少できますが、東南アジアでは英語非ネイティブ同士の会話になるので、完璧でなくてもどうにかなる。といった感覚です。
アンケートへのご協力ありがとうございました。
皆様からいただいた貴重なご意見は今後の参考にさせていただきます。
2021年10月 企画係