小野理映子さん(41回生)コラージュ・ダイアリー

秋イベントでコラージュ・ダイアリーの講師をしていただいた、41回生小野理映子さんのご紹介です。

○プロフィール
住居学科を卒業後、小川信子研究室で修士論文『保育空間に関する研究』をまとめました。その後、住居学科研究室で4年間助手として勤務し、小川先生の女子大最後の1年間は、小川研の膨大な資料を整理するお手伝いをしました。その間に結婚し、夫がキリスト教会の牧師となって間もなく20年。「牧師夫人」などとも呼ばれる立場ですが、千葉県柏市を経て、現在は埼玉県春日部市にある春日部福音自由教会(設立1955年、会員約130名)で教会スタッフのような形で働いています。

○ 「住居の会」30周年 秋のイベントの感想
グループ・ワークショップの一環として、「今のわたし」をテーマに「コラージュ・ワーク」を開催しました。これは、雑誌やパンフレットを切り抜いたものをA4やハガキ大の台紙にテーマに沿って自由に貼っていただき、タイトルや作成した心境などを分かち合うワークです。ちょっと立ち止まって自分を見つめ、それを仲間と分かち合うと、新鮮な気づきがあります。普段は教会で、女性や子育て中のお母さん、学生・若い社会人たちと小グループの集まりをするとき、特に年度の区切り、年末年始などに気軽にやってます。
今回さすが住居学科卒の方々は、すてきなコラージュを作成してくださいました。
偶然にも、当日同じ会場で開催された「相続」や「断捨離」のWSでも「いま立ち止まり、過去を振り返り、問題点を表現・整理して、これからの自分を考える」という視点が共通していたのが印象に残りました。
イベント当日までは、素敵な先輩方に励まされて、緊張もしましたが楽しく準備することが出来ました。住居の会の方々の企画力・行動力+お心遣いにほんとうに感動しました!

○日頃の活動
キリスト教会は、毎週日曜日の礼拝、平日の祈り会を中心に、様々な小グループの集まり、聖書を読む会、病気やご高齢の方々の訪問やサポート、冠婚葬祭、国内外の大規模災害支援、などなど、生活および人生まわりのすべてが詰まっているところです。また、季節や教会暦に沿って、元旦礼拝、復活祭、敗戦記念礼拝、降誕祭などがあります。夏休み・春休みは他の教会と共催で子どもや中高生、大学生、社会人のためのキャンプや合宿などもあります。近隣地域との関わり、教会堂の維持管理、組織としての運営も大切です。
春日部福音自由教会は、三つの会堂とひとつのチャペルが春日部市内に点在し、それぞれに特色があります。中央会堂はメインの会堂で、小さな「春日部福音自由教会付属めぐみ幼児園」が併設されています。丘の上記念会堂には「お茶室(広間、小間)」があって、表千家の茶の湯稽古や大寄せのチャリティー茶会が開催されます。納骨堂が併設されており、とても美しい会堂です。献堂30周年、建設直後には雑誌『新建築』に掲載されました。私たち夫婦が2011年から住む牧師館併用の庄和会堂は、一部リフォーム(礼拝堂)を経て2017年3月26日にようやく献堂礼拝をささげました。ローカルな私鉄の駅前ですが、隣が公園で、のんびりした立地環境が自慢です。武里チャペルには会堂はありませんが、信徒の家庭などで集まりをもっています。
私は、状況に応じて出来ることであれば何でもやっているような感じです。事務員、ソーシャル・ワーカー、カウンセラーいやただの茶飲み友だち?若い人たちが大勢牧師館に食事に来るときは相撲部屋の女将?最近は、教会のリフォーム時に家具の選定を頼まれることも。教会員に腕のよい大工さんがおられるので、リフォームの仕上がりは密かな楽しみです。教会の空間作りには、神と人との出会い、人と人との出会いを支える工夫が求められます。
2017年度からは、創立40周年になる教会付属の「春日部福音自由教会付属めぐみ幼児園」で、新しくスタートした延長保育をサポートしています。これは、かつて修論の調査先の保育園の園長先生にアルバイトに誘われ、成り行きで取得した保育士資格が日の目を見た形です。
もっと計画的に人生を生きるはずだったのですが、建築士の資格は取りそびれたまま。しかし、地域施設でもある教会を拠点として、多様な背景を持つ方々の人生に寄り添い、生まれたばかりの赤ちゃんから90歳を越えたご年配の方々まで、互いに助け合いながら一緒に笑ったり泣いたりして暮らす毎日は、住居学科で培った「時間と空間と人間関係(含む家族)を軸に、生活や人生を捉える視点」が、土台になっていることは間違いありません。神様の計画は不思議だな、といつも思っています。

URL:春日部福音自由教会http://kefc.jp
春日部福音自由教会めぐみ幼児園http://megumi.kefc.jp

丘の上記念会堂全景