【今こそつながろうプロジェクト】石川県輪島市より~能登の里山暮らし

まだまだSTAY HOMEが続く新型コロナ感染拡大。このような時こそ、会員同士でつながっていきましょう!
全国各地で暮らす同窓の方々の【今】と【メッセージ】を届けていただきました。(執行部)

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■萩のゆき(旧姓:是川)さん 39回生/高橋公子研究室/石川県輪島市在住
能登の里山での暮らしを起点にしながら、農林水産物の作り手さんと商品の企画やデザイン提案をしています*。
月に一度自宅を住み開きしながら「土地に根ざした学びの場・まるやま組」を主催。身のまわりの生き物や地域の伝統知について調べて、暮らしに取り入れ、次世代に伝えています。朝日新聞「里山暮らし」連載や国連大学*と恊働など。
目下、畔に小豆を蒔き、一粒のタネから小さな和菓子店「のがし研究所」起業準備中の様子をチルチンびと広場コラム「のがし研究所だより」*にて連載中。
*コラムの最後にリンク掲載あり
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日本海にとびだした能登半島の先端に住んでいます。石川県の金沢から100kmはなれた静かな里山の集落です。最近の思いがけない出来事をご紹介します。

画像1 左の方の白いのが我が家の屋根です。
画像1 左の方の白いのが我が家の屋根です。

2004年にアメリカペンシルバニア州から移住して山の木を伐り、家族ですまいを作っています。 

「キッチンの取材をお願いできないでしょうか?」と依頼の電話をいただいたのが4月6日。実家の両親や子ども達が首都圏に住んでいるので、毎日コロナのニュースで感染者数のグラフを見ては不安になっていた頃のこと。

翌4月7日。企画書が送られて来る。「自宅での暮らしの豊かさに注目が集まっています。見た目だけでなく、機能面も重要なキッチンはインテリアの中でも個々人の工夫が凝縮している場所。道具や配置などで読者が参考にしやすく、丁寧な暮らしの大切さを実感させてくれる方々の紹介を行います。」以前何度か取材いただいたことのある雑誌だった。自粛モードのなか先行きが見えないけれど小さな種蒔きになるかもしれないし、雑誌やメディアの方々も大変な時だからお受けすることに。

テレビでは首相が東京など7都道府県に緊急事態宣言を行なうとざわざわしている。「こんな時に取材受けて大丈夫なんだろうか?」と思えて来る。先方はこのところ微妙に感染者数が増えつつある金沢から来られるし、最低でもライターさんとカメラマンさんで二人はいらっしゃるはず、少なくとも半日くらいは時間もかかるだろう。一旦OKしたものの不安な気持ちがつのる。聞けば「マスク着用でこまめに消毒、距離を2mに保ちながら対策」されると言う。

4月12日。取材日の前日まで悩んだあげく「写真提供はこちらでして、取材はzoomにしませんか?」とオファーのメールを送る。写真を撮るのも、メモを書くのも手間がかかるけどその方がお互いに安全だ。深夜になって返事が来た。「今週金沢市の状況は悪化しており私共としましても、能登へお伺いするのは非常に悩んでおりました。お申し出に甘えてしまうことになりますが、そのような形で取材をお願いさせていただきたくおもいます。」

4月13日。夫に手伝ってもらいながら写真撮り。

4月15日にキャプションを書いて送った。それをふまえて4月16日に取材で質問などにお答えする。石川県の感染者数はうなぎのぼりで累計146人になっていて、県独自の緊急事態宣言が発令された。「正しい判断だった。」と胸を撫で下ろす。

4月20日、編集部から初稿がメールされて来る。少し手直しして返信する。大変な中だけれどどうにか誌面ができて良かったと胸を撫で下ろす。

4月22日、友達のSNSの投稿で、その出版社が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったと知る。ニュースでは「新型コロナの影響で主力取引先の飲食店などで業況が悪化したため広告収入が見込めず、事業継続を断念した。」と報道され、翌日担当者からお詫びの電話が入る。電話口で若い編集者のかたの沈黙が辛かった。老舗の月刊地域情報紙がまたたく間に消えてしまいコロナ禍の一端を肌で感じ取った。

いつもの年のように、「山笑う」よい季節となりました。私たちは変化を続けながら新しい暮らしかたを模索してその先へ歩いていくのでしょう。最後に日の目のあたることのなかった1ページと写真をおとどけします。一日も早いコロナの終息とみなさまの安寧な日々をお祈りしています。

画像2  キッチン特集のページ
画像2  キッチン特集のページ

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画像3 暖かい季節には夜にデッキで食事をすることも。フクロウやカエルの鳴き声が聞こえる。
画像3 暖かい季節には夜にデッキで食事をすることも。フクロウやカエルの鳴き声が聞こえる。

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画像4 換気扇のダクトや梁にキッチンツールを吊り下げる。馬蹄形のそおけ、マタタビ材で水切れの良い米研ぎざるはすぐ乾き、料理中にとりだしやすい。
画像4 換気扇のダクトや梁にキッチンツールを吊り下げる。馬蹄形のそおけ、マタタビ材で水切れの良い米研ぎざるはすぐ乾き、料理中にとりだしやすい。

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画像5 古い輪島塗を譲り受けて毎日使っている。中央の赤い平椀は蓋を取り皿に、身は汁物から和え物と使いやすい形。上段の黒い四つ椀は入れ子になるので便利。
画像5 古い輪島塗を譲り受けて毎日使っている。中央の赤い平椀は蓋を取り皿に、身は汁物から和え物と使いやすい形。上段の黒い四つ椀は入れ子になるので便利。

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画像6 能登の小魚をさばく出刃包丁用の6mmと8mmのスリットをあけてある。
画像6 能登の小魚をさばく出刃包丁用の6mmと8mmのスリットをあけてある。

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画像7 猫のいちじくの食事スペースには青焼きの図面を敷いて。
画像7 猫のいちじくの食事スペースには青焼きの図面を敷いて。

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石川うまれの商品のパッケージやロゴなどキッチンからデザインの仕事。
石川うまれの商品のパッケージやロゴなどキッチンからデザインの仕事。

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2020年5月10日
萩のゆき

▶ いしかわエコデザイン賞(PDFが開きます)
▶ 子ども向けSDGsプロジェクト 国連大学OUIK
▶ チルチンびと広場コラム「のがし研究所だより」

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