2021年度「第29回 住居の会総会」のご報告
去る7月10日、2021年度住居の会総会が行われました。世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、執行部では、本年度は昨年度に続きzoom(ビデオ・web会議アプリケーション)を活用してのオンライン開催を決めました。関心を持ってくださる会員の方に不自由をお掛けしないよう、慎重な議論と入念な準備を重ね、緊張の中でのスタートとなりました。
第1部
会の開催に先立ち、広報係よりzoom の設定、使用方法についての説明があり、その後、三木会長の挨拶にて総会が始まりました。続いて、薬袋先生、宮先生、佐々木助教からお話を頂戴し、本年度の議題へと進行しました。
◆三木泉会長(38回生)より
・住居の会への参加へのお礼。
・本年度総会が、昨年に続きオンライン開催となる経緯について説明。・オンライン開催にしたことで世界、全国各地から参加があり新しい経験となっている。
・今年は準会員の方も参加しやすいように構成を変えて進行する。
◆薬袋美奈子先生(42回生)より
・住居の会が学生との交流の場を作って下さったとの謝辞、製図版を学生に譲るという活動への謝辞
・学科の進捗の報告 今年は対面授業が多くなっている。
・新校舎(妹島和世さん設計)が完成し、授業で使い始めている。
・大学に新学部が出来たので興味のある方はご覧ください。
・社会連携教育センターの活動が今年度から本格的に動いている。
まちづくり活動などに学生が参加出来ることがありましたらお声かけをお願します。
◆宮晶子先生(36回生)より
・2012年から研究室をもって専任教員として主に設計教育を中心に指導している。
・林雅子賞が学生の励みになっている。住居の会と大学とのパイプとなっている。
・「GA JAPAN」5月号で設計教育の特集があり、インタビューを受け設計教育について語っている。興味があればご覧ください。
・フランスのオルレアンでの『かたちが語るとき展』に模型が展示されており、兵庫県立美術館の関連企画にも選出されている。 参照→リンク「住居だより」
◆佐々木貴子先生より
・昨年はコロナ禍のなかで林雅子賞の開催への謝辞
・今年も総会を学生に向けての声がけに謝辞
・学生との交流に向けて私の方でも協力したいと思っています。
《 2021年度総会 議事 》
事前に質問を受け付けていましたが質問はありませんでした。
②2021年度 役員選出案・事業計画・予算案
以上の議案をオンライン上で承認いいただき、新体制となりました。
◆執行部より8月および9月に行われるイベントの案内
第2部
《 住居の会奨励賞応募のご案内ならびに第21回住居の会奨励賞報告及びスピーチ 》
本年度は、オンライン開催ということを勘案し、贈賞式は割愛し、プレゼンテーションもオンライン上で行われました。質疑応答については、チャットを活用して行われました。
1. 本年度奨励賞の応募のご案内
茂木副会長(44回生・奨励賞担当)より
※詳しくは、こちらをご参照ください→https://jyukyo.net/encouragement-award/882/
2. 選定会の報告
小野さん(昨年度副会長・奨励賞担当 42回生)より
奨励賞:『アート国際交流企画』
受賞者:山本さと子さん(53回生)
3.受賞者によるプレゼンテーション
受賞された山本さと子さんはニューヨークからご参加くださいました。
現地時間AM2時頃にもかかわらずありがとうございました。
山本さんの代表作をはじめ、NYでの幅広い活動をご紹介くださり、とても興味深い内容でした。質疑応答では卒業後からNYでの活動に至る経緯や、ボランティア活動などのエピソードも紹介いただきました。
参照→リンク
《 第19回林雅子賞報告ならびに受賞者からのプレゼンテーション 》
奨励賞同様、オンラインによるプレゼンテーションが行われました。
1. 選定会の報告:帆刈さん(昨年度副会長・林賞担当36回生)より
・受賞作品:『台所のパッチワーク – 異なる「食」「住」の集積から構築する共生 -』
・受賞者:戸部由紀子さん(69回生・院42回生)
2.受賞者によるプレゼンテーション
池袋を舞台とする多国籍の多様な文化を包括するコミュニティーを想定した作品。
各国の台所の研究やコニュニティーづくりの考察が非常に深く、素晴らしい作品でした。作品についてはHPでもご紹介しています。→リンク
《第20回林雅子賞の予定》
林雅子賞担当の菊地恵子さん(24回生)より準備状況の報告がありました。
今年の選定会は2月19日(土)の予定です。昨年度はコロナ禍のためZoom での開催でしたが、今年は模型を囲んで選定会できるよう準備を進めています。
また現在選定委員3名中、2名が決定しています。
もう一人はどなたになるかお楽しみに。
《特別企画 「けんちく体操を体験してみよう!」》
第二部の特別プログラムは、米山勇先生(建築史家・江戸東京博物館研究員)と高橋英久先生(江戸東京たてもの園学芸員)を講師にお迎えし、「けんちく体操を体験してみよう!」と題した講演及びワークショップを開催しました。
それまで着座で総会に参加されていた会員の方には広い場所にご移動頂き、 “けんちく体操”=全身を使った建築の形態模写 を行いました。今回、先生がご用意くださった建築は、クウェートの「アル・ハムラ・タワー」やフランスの「ロンシャン礼拝堂」など世界の名建築から、私たちには馴染み深い成瀬記念講堂や妹島先生の「すみだ北斎美術館」まで計8つ。
ウェブ開催のため、本来なら複数人で行うところを、一人で取り組まなければいけないなどの制約がありましたが、皆さんそれぞれに工夫されていました。どの建築も、自分の身体一つで表現するとなると一筋縄でいかず、苦労の連続。先生の掛け声に励まされながら取り組みました。
けんちく体操の面白さは、単純な形態模写ではなく、直感的に個々が自由な発想で模写することで建築と同化し、建築そのものをダイレクトに理解することにあります。その形態を 自らの身体を持って維持することで、構造設計についても理解を深めることも隠されたテーマの一つです。建築に同化するという体験を通し、その建築は深く記憶に刻まれます。この日出会った建築のことを、参加された皆様はきっと一生忘れないでしょう。この一期一会こそが、けんちく体操の魅力とも言えます。皆様にとりまして、この講演・ワークショップ が忘れがたい経験となりますよう願ってやみません。
2度目のコロナ禍にてのオンライン総会となりましたが、海外も含めたくさんの方にご参加いただきました。年に一度ですが、年代や地域を超えて集まれる機会は大変貴重で刺激的だと感じております。お忙しい中ご協力、発表、ご参加いただきました先生方、会員、準会員の皆さま、ありがとうございました。
2021年7月 住居の会 執行部、係役員一同