第5回 林雅子賞 『Dream・絵本と子ども−三鷹市におけ る絵本館の提案−』 加藤真弓さん

開催日: 2007年2月24日(土)
選定委員: 委員長 妹島 和世(SANAA)
林 昌二(建築家)
定行まり子(住居学科教授)
片山伸也(住居学科講師)
永峰麻衣子(住居の会副会長)
会場: 日本女子大学 新泉山館 1F 大会議室

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建築ジャーナルの掲載記事(2007年4月号)pdf

第5回林雅子賞選定会ご報告

01第5回林雅子賞選定会は、2006年度卒業制作から計9点の応募がありました。
今年度は、他大学や高校にも見学者を募り、総勢122名(うち外部より69名)の来場者の前での大規模な一般公開形式による選定会となりました。また日本女子大学住居学科の卒業生である、世界的建築家妹島和世氏を選定委員長にお迎えし、講演会も催されました。

02午後1時から、エントリー作品の発表が開始しました。会場は大規模な公開プレゼンに対応できる新泉山館1階の大会議室です。多くの見学者が学生作品に触れられるよう模型と図面が会場に設営されました。発表は、持ち時間一人12分でパワーポイントを用いて行われ、全員の発表後、審査員から模型を前に作品一つ一つに対する質疑応答が行われました。

033時から選定委員のみによる選定作業に入り、厳正な審査の結果、加藤 真弓さんの 『Dream・絵本と子ども−三鷹市における絵本館の提案−』に決定致しました。
3時半から審査結果の発表です。応募者と見学者の皆さんを前に、まず妹島和世氏から作品一つ一つについて丁寧な講評が行われました。世界的建築家妹島和世氏にコメントを頂けたことは学生にとってとても貴重な経験でした。

04その後、同氏による、講演会が催されました。写真や図面などから近年の国内外大小様々なプロジェクトを説明して頂き、新しい空間創造に邁進される氏の試みに触れることが出来ました。その後、林昌二氏に会全体の講評と閉会の言葉を頂き、盛会のうちに終了しました。

06引き続き 参加者全員でワークショップA室でのお茶会形式の懇親会となりました。まず、住居の会会長より参加者全員に妹島和世氏のサイン入りの参加賞が贈呈されました。その後、コーヒーやフルーツで歓談しながら学生からは今回の賞についてのコメントを、また選定委員や先生方をはじめ住居の会会員からの様々な意見やアドバイスを頂きました。

05今回の選定会と懇親会が盛会のうちに終了しましたことに、ご協力くださいました皆々様には厚く御礼申し上げます。特に妹島和世氏にはお忙しい中、選定委員長をお務めいただき、心より感謝申し上げます。女性建築家の育成をめざした新たな公開選定会という試みで、学生の設計に対する意識の向上と、これから社会に羽ばたく卒業生の皆さんにとって貴重な経験であったと思います。これまでの経験を元に多くの方々に日本女子大学住居学科の魅力と設計の楽しさを伝えられるよう、より工夫を凝らしていきたいと思っております。今後も学生にたいして、多くの作品が出展されるよう、そして心に残る卒業制作となるよう応援いたします。

※ 受賞者には副賞として松江美枝子氏(12回生)デザイン・制作のブローチと、林昌二氏より作品集『建築家 林雅子』(新建築社)が、それぞれのご好意により贈呈されます。お二方にも心より御礼申し上げます。

(林雅子賞プロデューサー 河内真菜 記)

選定会委員長より 選定委員長 妹島和世氏

林雅子賞の審査に参加させて頂きました。まず、多くの人の見守る中でプレゼンテーションと質疑が行われました。皆さんのプレゼンテーションは、どれも緊張感の中にそれぞれの人の夢のような思いが伝わってきて、大変レベルが高く、且つ、気持ちのよいものでした。その後、周りに並べられている大きな模型を回りながら、再度説明を受けましたが、模型もコンセプトを伝える緻密でエネルギーあふれるものでした。どの案も、ともすれば大変さや忙しさで忘れてしまいがちな建築を考える楽しさに、まっすぐに真剣に向かった計画だったと思います。この審査会全体が、女性の建築家の第一人者であられた林雅子先生の賞にふさわしい会であったことが大変うれしく、審査をさせて頂いたこちら側もあらためて励まされたように思いました。